未完成。それも音楽

私は、完璧を求めて、日々テクニックを追及してきました。
しかし、最近思うことがありまして、テクニックだけじゃ人は感動してくれない。
ということ、
この前の演奏会のとき、演奏はぐでんぐでんだったのに、泣いてくれた人がいました。

後でその方にお聞きすると、「何か伝わるものがありました」といってくださいました。

私もそのとき、精神的に追い詰められていて、練習どころではなかったのですが、せめて本番だけは心をこめて弾こう、と自分の全てを、その古い電子ピアノにぶつけました。

なんでしょうか、その件で、「もっと楽しんで弾いて良いんや」「未完成な音楽でも、喜んでくれる人はいるんや」と思い、テクニックだけを追求するのはもうやめにしよう。
と考えを改めました。

そう思った瞬間から、一気に気持ちが楽になりました。

ピアノがへたくそなピアニストも存在していいのではないか。

「プロ」と呼ばれる存在になって、見失っていたものを取り戻した感じです。